クレド浸透のために何が必要なのか?トップダウンの唱和は逆効果

唱和せずに何をしているのか?クレド浸透のために

企業理念やミッション、クレドなどを、朝礼やミーティングで唱和するようなことはしていない弊社ですが、毎朝のショートミーティングでは、クレドカードを使って行うことがあります。
クレドが従業員一人ひとりの意識に少しずつ浸透していくような、ちょっとしたことです。

弊社のクレドカードには、企業理念やミッションも記載されているだけでなく、行動に関するクレドは、5つのステークホルダー別に合計で31項目あります。
(あくまでも弊社の例です。必ずしも同じ形である必要はありません)

これらに、組織の価値観が表現されているわけですが、記載されている文言を一字一句間違えずに覚えている従業員は、弊社にはおそらく一人もいません。
覚えていることを評価する仕組みは一切なく、クレドを本質的に体現することを評価する仕組みがあるからです

朝礼では、行動に関するステークホルダー別のクレドに照らして、日替わりの司会者が、自らの頭で考えた所感を、具体的な日常の実務と絡めて発表するという場が用意されています。
それを毎日継続することで、ひとつひとつの文言の根っこにある本質が、一人ひとりの脳と心に染み込んでいきます。

本気で理念を浸透させたいなら

理念やクレドを徹底して唱和すれば、覚えさせることはできるかもしれません。
しかし、文言そのものを覚えることには、なんら意味ないと私たちは考えていて、覚えることを求めていません。

明文化されている価値観の本質を理解し、それを組織の中で体現していくことに意味があるのであって、理解し体現できない従業員がいるのであれば、仮に暗唱できたとしてもそれは、理念が浸透している状態にあるとは言えません。

理念が浸透している状態とは、全従業員が一丸となって、組織が掲げている目的に向かっている状態です
それは言うまでもなく、理念を全員がただ暗唱できるという状態や、経営者や上司の指示に部下が従順である状態とは、根本的に異なります。

クレド経営を正しく行っていくことで、組織が大切にしている価値観やビジョンに共感、共鳴する人の密度が高まっていきます。
それが理念浸透ということです。

正しくクレドを作り、正しく導入し、正しく運用することができれば、本質的な理念浸透がどの会社でも実現することができるでしょう。