クレド導入で失敗しないために――理念との関係性を見直せ

クレドを導入したい。でも、その前に…

「クレドを導入したい」と考える経営者や人事担当者の方と、これまで数多くお話をしてきました。その中で強く感じるのが、「クレドと理念の違いや関係性」についての理解が、最初の段階ではほとんどの方にないということです。

しかし、理解していないこと自体を責めるつもりは一切ありません。最初から理解している必要はありませんし、むしろその違いや意味を一緒に考えていくことが、クレド導入の第一歩なのです。

見た目の美しさでは、クレドは機能しない

残念ながら、「クレドを作れば組織が変わる」という幻想だけで進めてしまうケースもあります。

どれだけ美しくデザインされ、どれだけかっこいい言葉が並んだクレドカードができたとしても、「理念との違いや関係性」を理解しないまま作られたクレドは、組織の中でまったく機能しません。

私たちが必ず伝えていること

私たち従業員満足度研究所株式会社では、クレド経営をお手伝いする際に、まずこうお伝えします。

「まず、クレドと理念の違いや関係性について、しっかりと考えましょう」

これは形式的な説明ではなく、実際に「自分の頭で考える」というプロセスを大切にしていただきたいからです。

「学ぶ」よりも「考える」ことが重要

クレドを自社にとって意味あるものにするためには、理解するまで“学ぶ”のではなく、理解できるまで“考える”ことが必要です。

私は持っている知識や経験を出し惜しみすることなくクライアント企業に提供していますが、「考えていただく必要のあること」と「知識として習得すれば済むこと」は明確に分けてお伝えしています。

時間もコストも限られていますから、本当に必要なことに集中していただきたいのです。

安易な答えではなく、自社の理念と向き合う

クレドと理念の違いや関係性については、経営者やクレド導入の責任者が「自らの頭で」考える必要があります。

もちろん、私自身の考えや経験はすべてお伝えします。参考にはしていただきたいと思っていますが、「そのまま鵜呑みにする」のではなく、「自社の理念や価値観に照らして考える」ことが重要です。

最後に:この時間こそが、最高の投資

理念とクレドの関係を深く考える時間は、単なる前準備ではなく、クレドが組織に根づくかどうかを左右する重要なプロセスです

そしてその時間は、未来の組織に対する“リターンの大きい投資”です。